西松建設の巨額献金事件で、逮捕された同社前社長
二階経産相側が、同社のダミーとされる政治団体によるパーティー券購入などについて違法と認識していた疑いもあり、特捜部は応援検事約十人を投入して捜査態勢を拡充し、週内にも、政治資金規正法違反容疑で経産相側政治団体の会計責任者らから事情を聴く方針を固めた。
西松建設関係者が自民党の有力国会議員側を名指しして「十年以上にわたり総額六千万円前後の現金を渡していた」と裏献金を供述していることが既に判明。この議員は二階経産相で、特捜部は慎重に裏付けを進めている。
二階経産相は共同通信の取材に「全く知らない。なぜ、そんな話が出るのか」と全面否定している。
関係者によると、西松建設は一九九五年、ダミーとされる政治団体「新政治問題研究会」(新政研)を設立。小沢代表側と事前に協議して、同団体を
九八年には東京都選管に「未来産業研究会」の設立を届け出ており、この二団体を含め小沢代表側に十数年で計約三億円を献金したとされる。
捜査関係者によると、国沢容疑者は、こうしたダミー団体設立を主導、献金工作の全容を把握しているという。
政治資金収支報告書によると、両団体は二〇〇四—〇六年、二階経産相が代表の自民党二階派政治団体「新しい波」から計八百三十八万円分のパーティー券を購入した。
一方、西松建設関係者によると、小沢代表の地盤である岩手県を管轄する東北支店は、小沢代表への献金などの支援を下請け会社に依頼する際、発注した工事の代金を水増し請求させ、献金分を補てんしていた。