【ワシントン7日共同=川北省吾】オバマ米政権がテロとの戦いの「主戦場」と位置付けるアフガニスタン支援の一環として、日本が政府開発援助(ODA)から約百四十一億円を拠出し、八月に予定されるアフガン大統領選終了までの半年間、全警官(約八万二千人)の給与を負担することが七日、分かった。ODAが相手国の公務員給与に充てられるのは珍しい。複数の日米関係筋が明らかにした。
麻生太郎首相の特使に任命された国際協力機構(JICA)の
アフガン選挙管理委員会は一月、カルザイ大統領の五月の任期満了に伴う大統領選を八月二十日に実施すると発表。警察は国軍や駐留米軍、国際治安支援部隊(ISAF)とともに治安安定の要と期待されており、日本は給与を負担することで円滑な選挙実現に貢献したい考えだ。
日本の新たな支援策は(1)選挙実施のための資金協力(約五十億円)(2)テロ対策・治安改善支援(約百五十四億円)(3)貧困対策(約九十七億円)—の三本柱。
関係筋によると、警官の給与分は(2)に含まれ、アフガン警察の給与確保などを目的に設立された国連開発計画(UNDP)の信託基金に約百四十一億円を拠出する。無償資金協力のため、アフガン側に返済義務はない。
ワシントンで行われた二月の日米首脳会談は、アフガン復興支援の強化で一致した。