国土交通省は七日までに、地域経済活性化策の一環として、景気悪化で厳しい経営環境にある各地の建設業者が、異業種の農林業や観光業者らと連携して立ち上げる新事業を支援することを決めた。三月中旬から公募を始め、六月に支援先を決定。新事業の実施期間は二〇〇九—一〇年度とし、一事業当たり二千五百万円を上限に助成する。
同省は、すでに全国で行われている異業種の連携例などに基づき、新事業として(1)林業者と協力した間伐(2)空いている建設資材置き場を使い観光農園や体験型農場を農協と運営(3)工事用船舶の運航経験を生かし観光協会とタイアップした屋形船の営業—などを想定。全国で計百四十程度の事業採択を見込む。
地域の建設業協会や自治体、異業種の団体などで協議会を設立し、事業計画を国交省に提出。採択されれば、新事業に必要な機械や器具の購入、専門家による指導などに使える助成金を受けられる。同省の出先機関の各地方整備局で計画を受け付ける。
国交省は「建設業は地域の雇用の約一割(全国平均)を担う基幹産業。異業種の人たちと力を合わせ、新たな雇用やビジネスを生み出してほしい」としている。政府の〇八年度第二次補正予算に、支援策の費用三十五億円を計上している。