【ニューヨーク5日共同】国連緊急援助調整官室(OCHA)は5日、スーダン政府により追放処分を受けた国際援助団体が計13に上り、一部ではメンバーが拘束されるなど妨害活動が拡大していることを明らかにした。スーダンのバシル大統領は国際刑事裁判所(ICC)が戦争犯罪などで大統領に逮捕状を出したことに反発、10の援助団体を追放処分にしたとしていた。
一方、ロイター通信によると、アフリカ連合(AU)はバシル大統領の訴追の停止を求め国連安全保障理事会に近く特使を派遣する意向を表明。国連報道官は5日、安保理がスーダン問題で6日午後(日本時間7日早朝)に会合を開くと発表した。
国連の潘基文事務総長は5日の声明で「スーダン西部ダルフール地方で470万人の人道支援に当たっている団体の追放は取り返しのつかない被害を与える」と懸念を表明した。
OCHAによると、ダルフール地方で人道支援に携わっている非政府組織(NGO)は76。追放処分を受けたのは「オックスファム」「セーブ・ザ・チルドレン」など大規模な団体ばかりで、追放によりダルフール地方で「100万人以上が水や食料、医療支援なしの状態に置かれる可能性が高い」という。