【ワシントン5日共同】北朝鮮が「人工衛星」として準備を進めているとされる長距離弾道ミサイルの発射は気象条件などから、早ければ3月中に行われる可能性があり、飛行ルートは1998年の「テポドン1号」と同じ「東方」か、オーストラリアに至る「南方」のいずれかを取るとの見方が情報関係者の間で強まっていることが5日、分かった。米情報筋が明らかにした。
テポドン1号は3段式で発射され、1段目は日本海、2段目は太平洋に落下。先端部の覆いとみられる部品が青森県上空の高度約160−60キロの空域を飛行、3段目は数十秒飛んで消滅した。北朝鮮から「人工衛星」を地球の周回軌道に乗せる場合、東方への発射が最も容易とされ、日本は引き続き警戒を迫られる。
ただ同筋は「南方ルートは技術的には難しいが(日本の本州上空を飛行するより)政治的反発は少ないだろう」と述べ、今回は南の方角に発射される可能性があるとの見方を示した。しかし、その場合も九州から台湾の間の南西諸島上空を飛行する恐れがある。