【ブリュッセル5日共同】北大西洋条約機構(NATO)は5日、ブリュッセルでクリントン米国務長官の就任後初めての外相理事会を開き、東欧での米ミサイル防衛(MD)計画や昨年8月のグルジア紛争をめぐって悪化した対ロシア関係などについて協議した。加盟26カ国は、定期協議「NATOロシア理事会」の公式会合を早期に再開、約7カ月ぶりに関係を正常化することで一致した。
デホープスヘッフェルNATO事務総長は開会演説で「アフガニスタン安定化、テロ対策などのため、ロシアとの協力は重要だ」と強調。クリントン長官は「前に踏み出す時が来た」と述べ、各国に同調を促した。
またクリントン長官は、オバマ米大統領が策定中のアフガン安定化に向けた新包括戦略についてNATO各国に説明した。米政権はアフガンへの1万7000人規模の兵員増派を決め、8月に予定されるアフガン大統領選を視野に同盟国にも増派を要請。欧州側では大規模な増派を表明した国はないが、欧州連合(EU)などが警官や選挙監視要員など文民派遣の拡大を決めた。