耐震強度偽装事件で、安全性が確認されていないマンションを販売したとして約4億円の詐欺罪に問われたマンション販売会社ヒューザーの元社長小嶋進被告(55)の控訴審判決で、東京高裁は6日、懲役3年、執行猶予5年(求刑懲役5年)とした一審判決を支持、検察、弁護側双方の控訴を棄却した。
無罪を主張していた弁護側は即日、上告した。
門野博裁判長は、被告が元一級建築士姉歯秀次受刑者(51)による構造計算書の偽造を知りながら、物件引き渡しを了承したとして詐欺罪の成立を認定。「購入者の信頼を裏切った。人生設計を大きく狂わせ無責任極まりない」と指摘した。
その上で「積極的、意図的に詐取しようとしておらず、耐震偽装の被害者との立場も否定できない」と、執行猶予相当とする理由を述べた。
弁護側は「引き渡しの中止を指示しており、だますつもりはなかった」と訴えていたが、判決は「被告が客への引き渡しを了承した」という部下の証言を重視、退けた。
昨年3月の一審東京地裁判決も詐欺罪を認定した上で、姉歯受刑者が改ざんして確認検査機関が見逃していた経緯を考慮、執行猶予を付けた。
検察側も実刑を求め控訴していた。
判決によると、小嶋被告は2005年10月、神奈川県藤沢市の「グランドステージ藤沢」の構造計算書が改ざんされ、安全性が確認されていないと知りながら、売買契約を結んだ11人に伝えず、代金約4億1400万円をだまし取った。
一連の事件では計6人が起訴され、懲役5年となった姉歯受刑者と、執行猶予付き有罪の4人の判決が確定。小嶋被告の裁判だけが続いている。
(2009年3月6日21時24分 スポーツ報知)
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