中部、四国、九州の各電力会社の原発でプルサーマルに使うプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を載せ、フランスを日本時間6日未明に出発した2隻の輸送船は、船の安全やテロ対策を重視している。
プルトニウムは数キロで原爆1個が製造できるとされ、厳重な防護が必要な物質。
電気事業連合会や電力会社などによると、輸送船は、衝突や座礁でも沈みにくいよう底を二重にし、人工衛星を使った航法装置や衝突防止レーダー、積み荷の監視装置を備え、最高水準の安全性があるという。MOX燃料は耐火耐水性や放射線遮へい、落下などの安全基準を満たす専用容器に収められている。
テロ対策として、2隻は相互に護衛。こうした方法は1999年と2001年に欧州から日本へMOX燃料を輸送した際と同様だ。
ただ過去2回は、輸送ルートの沿岸国などから反発もあり、日本政府は今回の輸送に備え、輸送の安全性などを関係国に説明してきたという。
市民団体「原子力資料情報室」は、輸送中に容器が落下すると危険な臨界事故の危険性があるなどとして反対している。