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2009年03月06日(金) 07時04分

「東北の受注狙い献金」 西松前社長が地検に供述東京新聞

 準大手ゼネコン西松建設による小沢一郎民主党代表側への違法献金事件で、同社前社長国沢幹雄容疑者(70)=政治資金規正法違反容疑で逮捕=が東京地検特捜部に、「東北の公共工事の受注を狙って献金した」という趣旨の供述をしていることが関係者の話で分かった。特捜部は、東北で絶大な影響力がある小沢氏と良好な関係を保つため、西松建設が二つの政治団体を介在させる献金の枠組みをつくったとみて調べている。

 特捜部は五日、容疑を裏付けるため、小沢氏の公設第一秘書で政治資金団体「陸山会」の会計責任者大久保隆規容疑者(47)=同=の岩手県釜石市の自宅を捜索した。

 一九九五年の規正法の改正で、企業からの献金が政治家の資金管理団体(一社当たり年間五十万円まで)に限られた。関係者によると、西松側は小沢氏側の要請で実体のない政治団体「新政治問題研究会」と「未来産業研究会」を介在させる仕組みを考案。下請け企業から集めた献金も合わせ、年間計二千五百万円を寄付する枠組みを小沢氏側と決め、十年以上にわたって総額三億円を提供していた。

 大久保容疑者は、献金先を西松幹部らと協議。陸山会と小沢氏が代表の「民主党岩手県第4区総支部」や、最高顧問を務める「民主党岩手県連」などに分散させて受けていた。

 新政治問題研究会は九五年、未来産業研究会は九九年にそれぞれ西松OBを代表に設立された。

 特捜部は、大久保容疑者が陸山会への献金が西松建設からだったことを明確に認識していたとみて、調べを進めているもようだ。

(東京新聞)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009030690070424.html