【パリ5日共同】中部、四国、九州の3電力会社の依頼で、原発のプルサーマル用に加工されたプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を積んだ輸送船が5日夕(日本時間6日未明)、フランス西部シェルブール港から日本に向けて出発した。日本への到着は2カ月後の見通し。
MOX燃料は核兵器製造に利用できるともされ、テロなどを警戒して輸送船は2隻の態勢。それぞれ武装した警備員が乗り込み、相互に護衛し合う方法で輸送される。安全を確保するため、輸送ルートなどの公表は6日以降となる。
欧州からのMOX燃料輸送は、1999年、2001年に続き3回目。過去に輸送した燃料は不祥事などで使われず、今回の輸送が順調にいけば、九州電力玄海原発3号機で秋にも初めてプルサーマルが始まる可能性がある。
輸送に抗議する国際環境保護団体グリーンピース・インターナショナルによると、運搬されるMOX燃料は長さ6メートル、直径2・5メートルの鋼鉄製容器8本に納められている。燃料のうちプルトニウムは1・8トン。