日本郵政は6日、東京中央郵便局の取り壊しを鳩山邦夫総務相が批判している問題で、同日から予定していた現局舎の本格的な解体工事を一時延期した。当面は、外壁タイルや石材の撤去に伴う建物の崩落を防止するなどの保全工事を進める。
同社は「総務相の批判に配慮したが、理解を得てできるだけ早期に(解体を)始めたい。期間が延びるほど遅延に伴う工事費支払いが出て、完成も遅れる」(不動産企画部)としている。
総務相は6日の閣議後の記者会見で「(解体に着手する)本当にギリギリだった。せめて登録有形文化財として文化庁が認める形で再開発してほしい」と強調。
郵政グループが計画するJR東京駅前1等地での不動産事業が立ち行かなくなる可能性については「郵便局会社の経営に響くことは考えられるが、一方で(宿泊保養施設の)『かんぽの宿』などを安く民間に売却しており、姿勢が一貫していない」と重ねて非難した。
総務相によると、今月2日に東京中央局を視察した際、一部壁面が崩されていたことに驚き、工事を停止するよう4日に直接、日本郵政へ電話で申し入れた。