北海道夕張市は6日、財政再建団体となって丸2年を迎えた。市は2024年度末までの18年間で353億円の赤字解消を進める一方、自治体財政健全化法に基づく「財政再生計画」の策定作業を本格化させる。
同市では財政破綻後、想定を超えるペースで進む高齢化や人口減少に直面、市税収入も落ち込んだ。厳しい財政の中で、民間に運営を委託した市立診療所への補助や、老朽化した市営住宅への対応など新たな課題も出てきた。
再生計画の策定には4月以降、職員を3−5人配置する。現行の再建計画に対し「総務省や北海道が短期間で策定し、欠陥だらけ」との不満も強く、藤倉肇市長は「新たに出てきた課題を再生計画に反映させたい」としている。ただ同省は現行の再建計画からの大幅な変更には否定的で、市側との認識には差がある。
一方、経済は建設業を中心に厳しいが、生キャラメルで人気の「花畑牧場」(中札内村)が同市に進出し、300人規模の雇用を計画するなど明るい話題も出てきた。