【ワシントン6日共同】米労働省が6日発表した2月の雇用統計(季節調整済み)によると、失業率は前月より0・5ポイント高い8・1%に悪化、1983年12月(8・3%)以来、25年2カ月ぶりの高水準になった。景気動向を敏感に反映する非農業部門の就業者数も65万1000人減少し14カ月連続で前月水準を下回った。
同時発表された改定値で昨年12月の就業者数が68万1000人減に下方修正され、1949年10月以来59年2カ月ぶりの落ち込みだった。米国の雇用情勢の急激な悪化が一段と鮮明になった。
2007年12月に始まった今回の景気後退期で、計約438万人の雇用が失われた。特に昨年11月以降の4カ月間で就業者数は約258万人減少した。
2月の失業者数は前月から85万1000人増えて約1247万人に到達。個人消費の不振や自動車を中心にした生産の縮小、景気の先行き不透明感から、企業は解雇や採用凍結により人員削減を一段と加速している。オバマ大統領は350万人の雇用創出を目指す景気対策法の着実な実行に加え、不良資産買い取りなどの金融安定化策を早期に実施、雇用を回復させて米経済の明るい展望を取り戻したい考えだ。ただ企業の人員削減は続いており、先行きに厳しい見方も多い。
2月の就業者数の内訳は、サービス業が37万5000人減と悪化したほか、製造業が16万8000人減、建設業は10万4000人減だった。政府部門は9000人増えた。