金融庁は6日、国内の銀行、信用金庫、信用組合などが保有する証券化商品などの評価損を含めた損失が、2008年12月末時点で、9月末より350億円減の3兆2380億円だったと発表した。
昨年10月の時価会計の見直しで、金融市場がまひしている場合、金融商品は購入価格より著しく安い価格で会計処理をしなくてもよいことを明確にしたため、評価損が大幅に減った。
金融庁は「市場環境が改善しているわけではない。円高で外貨建て商品の評価損が圧縮された効果もあった」としている。
証券化商品の保有額は全体で19兆4080億円で、評価損は9月末より4400億円減の1兆710億円。10−12月期決算で処理した損失(実現損)は4050億円で、累計で2兆1670億円になった。