捕鯨支持国と反捕鯨国の対立解消を目指し、国際捕鯨委員会(IWC)は「将来に関する中間会合」を9日から3日間の日程でローマで開く。日本の沿岸捕鯨を認める代わりに、南極海での調査捕鯨を縮小、廃止するとのIWC妥協案について初めて協議する。協議の行方次第では、日本が20年以上続けてきている南極海調査捕鯨が大きな転機を迎える可能性もある。
IWCは6月にポルトガルで開く総会での最終合意を目指す。
IWCの妥協案は、日本が沿岸捕鯨で5年間、新たにミンククジラを捕獲することを容認。その一方で日本の調査捕鯨については(1)5年間で段階的に廃止(2)年間の捕獲頭数を決め、5年間継続する−との2案を併記した。
日本は、反捕鯨国側の譲歩の度合いを見極めながら調査捕鯨の頭数削減などで歩み寄り、妥協案の合意達成を目指すとみられる。調査捕鯨の廃止案は拒否する方針。一方、オーストラリアなど反捕鯨国は調査捕鯨の廃止を求めており、妥協案で合意できるかどうかは予断を許さない情勢だ。
水産庁によると、IWC加盟国のうち捕鯨支持国は日本を含め38カ国、反捕鯨国は46カ国と拮抗。双方の主張が平行線をたどっているため、IWC作業部会のデソト議長らは局面打開を目指し、2月に妥協案を発表した。