民間シンクタンクの関西社会経済研究所は5日、2010年に奈良県で開催される「平城遷都1300年祭」の経済波及効果が、福井県を含めた近畿2府5県で1564億円に上るとの試算を発表した。
府県別では奈良が988億円で最も多く、大阪は324億円、兵庫95億円、京都74億円の順。
同研究所は「奈良県に有力な産業が少ないため、他府県に流出する金が増えそうだ」と指摘。特に観光イベントでは食料品の需要が大きく、洋菓子や清酒産業の盛んな兵庫県が、より恩恵を受けるとみている。
また、奈良と神戸を直結する阪神なんば線の開業で、兵庫県への波及効果はさらに拡大する可能性があるとしている。
試算は、奈良県が想定している860万人の来場者数を基に推計。宿泊や飲食費、交通費などで計約800億円が使われるほか、主会場の平城宮跡で展開するイベントや会場整備などに約200億円の支出を見込む。