政府、日銀が企業の資金繰り支援や株価下支えのために打ち出した対策が総額75兆円規模に達したことが5日、分かった。企業の資金繰りが厳しさを増す3月末が迫り、中小企業だけでなく大企業も低利の公的融資に殺到。政府は「3月危機」の回避に向けて対策の拡充を急ぐ。
資金繰り対策では、中小企業への信用保証や貸付枠を08年度第2次補正予算で30兆円に拡大した。信用保証の承諾額は3日時点で約7兆2600億円に上っており、今後も信用保証協会を通じた支援は高水準で続くとみられる。
大企業も民間銀行や金融市場からの資金調達が一段と困難になっており、政府系金融機関である日本政策金融公庫から資金供給を受けた日本政策投資銀行と商工中金が、最大6・5兆円の支援枠を用意した。
業績が急速に悪化している自動車業界では、三菱自動車が政投銀の低利融資により500億円の調達を目指しているほか、日本航空と全日本空輸も活用を検討。
株価対策では、政府の「銀行等保有株式取得機構」が、金融機関の保有株式などの買い取りを20兆円を上限に今月中旬から始める予定。
(共同)