農林水産省は5日、酪農・畜産農家向けの2009年度経営安定化策を発表した。脱脂粉乳向けなどの加工原料乳を生産する酪農家を対象にした補給金は、生産者団体の要望を受け入れて据え置いた。対策の総額は1589億円に上った。5日の審議会で答申を受け、6日に正式決定する。
財源難から折衝は難航したが、多くの酪農・畜産農家が多額の債務を抱え、厳しい経営状態にあることを考慮した。
畜産対策では、肉用牛の肥育農家の収入減を補てんする対策を拡充。コスト割れを補う従来の対策に加え、環境対策などに取り組む生産者に奨励金を交付する制度を新設した。
加工原料乳は飲用牛乳に比べて取引価格が低いため国が酪農家を助成している。09年度の単価を、現行の1キロ当たり11円85銭に据え置いた。