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2009年03月05日(木) 06時32分

米経済「一段と悪化」 回復、来年にずれ込みも東京新聞

 【ワシントン4日共同】米連邦準備制度理事会(FRB)が4日発表した全米12地区連邦準備銀行の景況報告(ベージュブック)は、1月以降の米景気について「一段と悪化した」と明記、判断を下方修正した。回復時期については「2009年遅くか10年初めまで期待できない」と来年にずれ込む可能性にも言及、景気後退が長期化する見通しを示した。

 報告は金融政策を決める17、18日の連邦公開市場委員会(FOMC)の討議資料となる。厳しい景気認識を受け、FOMCで昨年12月に導入した事実上のゼロ金利政策を維持した上で、金融安定化策やデフレ対策を検討する見込みだ。

 報告によると、10地区が経済活動の落ち込みを指摘、残る2地区も「経済は引き続き弱い」とした。景気悪化は食品や医薬品などを除き、幅広い分野に波及。短期的な経済見通しは「貧弱」との見方を示した。

 個人消費は「多くの地区で悲惨だった歳末商戦に比べやや改善した」としたものの「全体では依然として不振のまま」と総括。生産活動も全地区が「全体として低下した」と報告した。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009030501000015.html