【ロンドン5日共同】2004年にロンドンの欧州三井住友銀行のコンピューターに不正アクセスし、計2億2900万ポンド(当時のレートで458億円)を盗もうとした事件の公判が4日、ロンドンの刑事法院で開かれ、陪審は首謀者格のヒュー・ロドリー被告(61)ら英国人2人に有罪評決を出した。英メディアが伝えた。量刑は5日に言い渡される。
検察側によると、ロドリー被告らは銀行警備責任者(公判中)を仲間にし、04年9−10月にハッカー2人(同)を行内に侵入させた。
ハッカーはコンピューターに不正ソフトを仕掛けて送金に必要な情報を入手。野村アセットマネジメントや住友化学などの口座からアラブ首長国連邦ドバイ、香港、イスラエルなどにある被告らの関係口座に不正送金を試みたが、一部データの入力に失敗、送金できなかった。成功すれば英史上最高額の銀行からの窃盗となるところだった。
同行は「公判の結果を喜んでいる。事件を受け(コンピューター操作の)内部手続きを見直した」などとする声明を出した。