【ウィーン5日共同】国際原子力機関(IAEA)定例理事会(日米など35カ国)は4日、エルバラダイ事務局長の後任選びについて協議し、今月26、27日に特別理事会を開き投票を行うことを決めた。
立候補している日本の天野之弥ウィーン国際機関代表部大使は「広島、長崎の経験を有する国から来ており、核兵器の拡散に断固立ち向かう」と所信表明。同氏と一騎打ちとなる情勢の南アフリカのミンティIAEA担当大使は「IAEAの抱える重要な問題について、加盟国のコンセンサス(総意)形成に全力をささげる」と演説した。
当選には理事会で有効投票の3分の2以上の支持が必要。決着がつかなければ候補者届け出から手続きをやり直す。天野氏優勢だが、3分の2を確保できるかは微妙な情勢。
定例理事会は4日、秘密核開発疑惑が指摘されるシリアの問題も協議し、米欧などがシリアに対してIAEAの調査に協力するよう求めた。