【アルビル(イラク北部)5日共同】国際協力機構(JICA)が、イラク北部のクルド人自治区アルビルに事務所を開設、常駐する日本人職員3人が4日、現地入りし業務を開始した。JICAがイラクに事務所を開設したのは初めて。4月からイラクでの政府開発援助(ODA)実施に関する業務を本格的に行う。
クルド人自治区は同国で最も治安が安定した地域の一つ。日本はイラクの人道復興支援のため、昨年末まで約5年間にわたり自衛隊を派遣していたが、治安改善を受けて民間主導の支援にかじを切りつつある。JICAがイラク国内に拠点を開いたことは、両国の経済関係強化の新たな一歩となりそうだ。
現地入りしたのは、松島正明所長らで4日早朝に空路アルビル入りし、自治政府のオスマン・シュワニ計画相を表敬訪問。計画相は「イラク人を代表して事務所開設を喜びたい」と歓迎した。
同事務所はイラク全土の事業を担当。事務所設立の作業を続けた後、電力、上水道などインフラ整備を中心とした円借款事業に取り組む。