大分の教員汚職事件で、県教育委員会参事への異動に便宜を図った謝礼に商品券20万円分を受け取ったとして、収賄罪に問われた県教委ナンバー2の教育審議監富松哲博被告(60)=休職中=の公判が5日、大分地裁(宮本孝文裁判長)であり、検察側が懲役10月、追徴金20万円を求刑して結審した。判決は3月27日。
論告で検察側は、贈賄側の元義務教育課参事矢野哲郎被告(53)=懲役2年6月求刑=がわいろ性を認めた供述に疑いの余地はないとした上で「富松被告があいさつだけの趣旨だったと理解するのは不自然極まりない。金額も通常のあいさつの範囲を超えている」と指摘。
弁護側は最終弁論で「県教委には異動ごとにあいさつとして商品券を贈る慣行があり、富松被告にわいろ性の認識はなかった」とあらためて無罪を主張した。