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2009年03月05日(木) 17時28分

自殺者数、11年連続3万人超 不況で増加警戒東京新聞

 全国の昨年1年間の自殺者数は3万人を超え、ほぼ前年並みになる見通しであることが5日、分かった。警視庁と道府県警が調べた暫定値を共同通信が集計した。警察庁の自殺者数統計は1998年以来3万人を上回っており、11年連続となることが確実になった。

 昨年秋以降の金融危機による不況の影響は直接数字に表れていないが、関係機関などは「職を失った人が数カ月たってから生活に行き詰まることもある」として、今後増加する可能性を警戒している。

 一方、警察庁は同日、今年1月の自殺者数は2645人だったと発表した。月別の数字の公表は初めてで、自殺抑止の対策づくりに役立てるのが目的。厚生労働省の人口動態統計による前年1月に比べると、340人増加している。

 共同通信集計によると、昨年の自殺者数は約3万2000人。前年の同様の集計では約3万3000人だったが、6月にあった警察庁の発表では若干増加しており、最終的にはほぼ前年並みとみられる。

 地域別では、北海道と長野県で80人以上、埼玉県でも約70人増加した。反対に兵庫県では約120人、茨城県で100人以上減少した。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009030501000637.html