名古屋市内やその近郊で、9人の女性に性的暴行を加えたなどとして、強盗強姦(ごうかん)などの罪に問われた無職末吉哲弘被告(36)に名古屋地裁は5日、「手口は職業的で、悪質さが際立っている」として無期懲役(求刑無期懲役)の判決を言い渡した。
判決理由で、近藤宏子裁判長は「当初は住居侵入し女性の下着などを物色する目的だったのが、女性を襲うまでに悪質化した」と指摘。鍵業者が開いている講習で得た知識を基にピッキングの技術を悪用したことから「犯行経緯に酌量の余地はなく、被害者の選定など周到な準備をしており、刑事責任は重大」と述べた。
被害者の行動を抑圧するために、顔面を殴打したり、犯行をビデオで撮影して脅していたりしたことも挙げ「卑劣であり、常習的な犯行だ」と断罪した。
判決によると、末吉被告は、2003−07年の間に施錠された女性宅に侵入し、9人に性的暴行を加えて約22万円を奪ったほか、3人から現金約19万円を奪い、そのうち1人に頭の骨を折るなどの重傷を負わせた。
(中日新聞)