外国人研修・技能実習制度のうち、企業が海外から直接人材を受け入れる「企業単独型」で来日した元実習生の中国人女性3人が5日、受け入れ先の「龍田紡績」(兵庫県姫路市)熊本工場で不当な労働を強いられたとして、同社に慰謝料など計約520万円の支払いを求める訴えを熊本地裁に起こした。
代理人弁護士によると、中小企業が事業組合などを通じて受け入れる団体監理型をめぐっては複数の訴訟が係争中だが、企業単独型での提訴は全国初。「これまで問題視されてこなかった単独型でも、違法労働の実態があることを明らかにしていきたい」としている。
訴状によると、3人は2006年の来日から約3年間、最低賃金以下の時給で働かされ、逃走防止のため通帳やパスポートも取り上げられたとしている。最低賃金との差額分は、労基署の指導で既に支払われている。
龍田紡績は提訴について「担当者がおらずコメントできない」としている。