約40年間にわたり全国の被爆者約1000人の証言を音声記録した元長崎放送記者の伊藤明彦さんが3日午後9時34分、肺炎のため東京都狛江市の東京慈恵会医大第3病院で死去した。72歳。東京都出身。東京都調布市国領町8ノ9ノ3、福祉施設「サン・ラポール調布」に入所。本人の遺志で通夜、告別式は行わない。
8歳の時に長崎で被爆。長崎放送記者だった1968年、担当したラジオ番組をきっかけに被爆者の声の証言収録を開始。70年に退職後も被爆者の聞き取りを続け、証言をまとめたカセットテープやCDを全国の学校、図書館へ寄贈。長年の活動が評価され2008年に吉川英治文化賞を受賞した。