熱すると形を保ったまま大きさが縮むユニークなセラミックス素材を、京都大の島川祐一教授の研究チームが開発し、5日付の英科学誌ネイチャーに発表した。
普段は電気を通さないが、高温では通すようになる性質もあった。島川教授は「温度によって変化する性質を利用すれば、温度センサーや電子スイッチなどの部品に応用できそうだ」と話している。
チームは高温・高圧でランタンや銅、鉄を含む素材を合成。これを常温から120度まで熱すると、鉄原子から銅原子に電子が移動する珍しい現象が起きた。結晶構造そのものは変わらないが、全体が縮んで体積が1%減少するのを確認した。
島川教授は「熱膨張する材料にこの素材を適切な比率で混ぜれば、互いに打ち消し合って膨張も収縮もしない新素材ができるかもしれない」としている。