トヨタ自動車は5日、契約期間が満了し「雇い止め」となる期間従業員の再就職を支援するため、希望者に対し、今春から職場で求人情報の提供を開始するほか、フォークリフトなどの国家資格を取得するための講習を実施する方針を明らかにした。
非正規労働者の失業が社会問題化する中、トヨタとして独自支援策を打ち出すことにした。求人情報はグループ企業を中心に収集する。愛知県豊田市の本社で行った2回目の春闘交渉で組合側に表明した。
すでに組合側は、職業紹介や職業訓練のための奨学金制度をつくる方針を示していた。
一方、賃金交渉では4000円の賃金改善(ベースアップに相当)を求める労働組合側と、「現行の賃金制度の維持すら困難」とする経営側の主張は平行線をたどった。
トヨタの小沢哲専務は同日、東京で開いた報道各社との懇談会で「残業代の減少などで現場にはいろいろ負担を掛けているが、管理職はそれを上回る負担をする」と述べ、管理職は組合員以上の給与カットに取り組む方針を示した。
次回は11日に最後の交渉を行い、経営側は18日に回答する見通し。