沖縄県議会は4日、県内の不発弾爆発事故の被害者を救済するため10億円の基金を設置する「不発弾等対策安全基金条例」を全会一致で可決した。1月に同県糸満市で起きた爆発事故の被害者らにも適用。初年度の2008年度は、国からの補助金を含め補正予算から7億5000万円を積み立てる。
基金は被害者への「支援金」や被害施設の復旧支援に充てる。ほかに事故防止のため、過去に不発弾が見つかった場所のデータベースの作成や、危険性の周知徹底を図る啓発活動にも活用する。
1月の爆発事故では、糸満市の工事現場で作業していた男性が重傷を負った。だが、不発弾事故の被害補償は法整備されておらず、沖縄が「戦後処理の一環」として国に対応を求めていた。
沖縄県内には約2300トンの不発弾が残っているとされ、すべての処理には70−80年かかるとみられている。