帝国データバンクが4日発表した約1万社を対象とした雇用動向調査で、45・9%の4900社が2009年度中の正社員(新卒と中途)採用を見送る方針であることが分かった。08年度調査比で15・5ポイント増加した。
「現在の経済情勢下ではリスクが大きすぎる」(北海道の書籍・映像サービス)、「業績見通しが立たない」(東京の鉄鋼卸)との理由が多かった。景気の先行き不透明感による慎重姿勢が全国的に拡大。特に北海道、東北の情勢が厳しく、地方の就職難は深刻さを増しそうだ。
調査した2700社の大企業のうち採用予定はないとしたのは650社で23・8%。中小企業は7900社のうちの4200社で53・5%だった。
業種別では不動産、卸売りなどが多かった。地域別では北海道(57・8%)、東北(54・6%)に次ぎ、北関東(46・7%)、九州(46・4%)で採用を控えるケースが目立った。
派遣やパートなど非正社員の「採用予定なし」は19・6ポイント増の58・6%。「正社員の雇用を守るのが最優先」(三重県のメーカー)との声も出ている。
ワークシェアリングについては「推進すべきだ」とする企業が約4割あるが、実際に導入または検討中の企業は9・1%にすぎず「導入予定なし」が半数強を占めている。