記事登録
2009年03月04日(水) 18時33分

春闘「ベアゼロ妥結」濃厚に 自動車電機、18日一斉回答東京新聞

 春闘相場に大きな影響力を持つ金属労協(IMF・JC)に加盟する大手企業労組と経営側の賃金交渉が本格化してきた。4日までの情勢では、自動車、電機メーカーの経営側が労組の賃上げ要求に応じない構えを貫いており、18日の一斉回答では多くの企業で、ベースアップ(ベア)ゼロでの妥結が濃厚になってきた。

 日立製作所など一部企業では、期間限定の賃金カットも議論。世界同時不況で製造業を中心に業績が悪化する中で、今年の春闘は労働側に極めて厳しい情勢で推移している。

 日本経団連の調査によると、企業の賃上げ率はバブル崩壊後に急速に縮小したが、ここ数年は上昇傾向にあった。今年の春闘では大手自動車メーカーの労組が4000円、電機メーカーの労組が4500円の賃上げをそれぞれ要求。しかし、経営側は景気悪化で人件費など固定費の圧縮を迫られ、賃上げに応じる体力を失っている。

 自動車業界では、トヨタ自動車や日産自動車が既にベアゼロを回答する方針を固めている。さらに「賃金制度維持分の確保すら極めて困難」(トヨタ役員)と賃下げの可能性も示唆し、組合側に揺さぶりをかけている。

 電機各社の経営側も「ベースアップができる状態ではない」(シャープの町田勝彦会長)と厳しい構え。2日の労組の会合では「着地点を見いだせない」と、ベア獲得の難しさを訴える報告が相次いだ。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009030401000560.html