井村屋製菓(津市)は3日、米国カリフォルニア州のアイスクリーム製造会社を買収し、もなかアイスや冷凍和菓子などの生産を来春から始める、と発表した。
主力商品のあずきバーも2013年ごろの生産開始を検討している。
あずきバーは現在、年間約36万本を米国に輸出している。浅田剛夫社長は「米国西海岸は日系人や日本食レストランが多い。生産拠点を持つことで、和のデザートを本格的に販売できる」と話している。
同社の海外進出は中国に次いで2カ国目。少子化で国内の市場が縮小する中、人口増の見込まれる米国市場に注目。円高ドル安の為替状況も買収に有利と判断し、子会社化を決めた。
買収するのは、和風アイスを製造する「エルエー・アイシー」で、08年12月期の売上高は226万ドル(約2億円)。4月1日付で、同社の40万株を400万ドル(約3億8千万円)で取得して保有割合を83・3%とし、社名を「イムラヤ・ユーエスエー」に変更する。
来春に新工場を現地に建設。13年ごろには増設してあずきバーや肉まん、あんまんなどの生産を開始する予定。14年に15億円の売り上げ規模を目指す。
【あずきバー】 井村屋製菓が1972年に生産開始。国内の食品商社を通じて海外にも輸出し、現在は米国、カナダ、オーストラリア、タイ、シンガポールの5カ国で販売している。生産工場は津市と愛知県豊橋市の2カ所。08年3月期の販売量は過去最高の約1億7700万本。
(中日新聞)