【北京4日共同】日本の通常国会に相当する中国の第11期全国人民代表大会(全人代)第2回会議が5日、北京で開幕する。温家宝首相は初日に提出する政府活動報告で、大規模景気対策により内需拡大を図り、今年の国内総生産(GDP)8%成長の実現を目指す方針を正式表明する見通し。会期は13日まで。
中国は今年10月、建国60年の節目を迎える一方、当局が民主化要求デモを武力弾圧した天安門事件から20年となり、チベット情勢も不安定な状況が続いている。政府は社会の安定維持を重要課題と位置付け、高成長の維持と失業対策などに全力を挙げる考えだ。
全人代では、2010年までの4兆元(約57兆円)に上る景気対策をどう具体化していくかが焦点。李肇星スポークスマン(前外相)は4日、開幕に先立ち記者会見し、4兆元のうち1兆1800億元を中央政府が投資する方針を明らかにし、全人代で承認を得る考えを示した。
中国の昨年のGDP成長率は前年比9・0%にとどまり、6年ぶりに10%を下回った。3大輸出先である欧州連合(EU)、米国、日本は軒並みマイナス成長に陥っているため輸出回復は当面望めず、今年の8%成長目標はハードルが高いとの見方が強い。