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2009年03月04日(水) 10時59分

中国で“競売妨害”に批判 当局「個人的行為」と距離東京新聞

 【北京4日共同】清朝時代の中国からの略奪品であるウサギとネズミのブロンズ像をパリの競売で落札後、代金の支払い拒否を表明した中国人の“競売妨害”とも呼べる行為に対し、中国のインターネット上では「中国のイメージを傷つける」などとする批判派が拡大、賛成派を上回る勢いになっている。

 落札者の蔡銘超氏は中国文化省主管の民間組織「海外流出文化財救出基金」の顧問で、3日に記者会見を開いて「愛国的行動」と強調。だが賛否両論に世論が割れる事態を受けてか、中国当局は「完全に個人的な行為だ」(国家文物局)と、蔡氏に距離を置いている。

 ネット上の書き込みでは「(競売を認めた)フランスが不誠実である以上、彼の行動は当然」「巧妙な手口で素晴らしい」との称賛も少なくない。中国では伝統的に法律より、「大義」を重んじる傾向がある。

 しかし「毒入り粉ミルクに続いてまた中国の信用を傷つけた」「妨害しても今後、中国人が競売から排除されるだけ」と国際感覚を意識した批判が意外と多い。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009030401000207.html