静岡県清水市(現静岡市)で1966年に一家4人が殺害された事件で死刑が確定した元プロボクサー袴田巌死刑囚(72)について、東京家裁は4日までに、成年後見制度を適用、姉の秀子さん(76)を保佐人に選任した。弁護団が同日、静岡市内で記者会見して明らかにした。
弁護団によると、現行の成年後見制度が死刑囚に適用されるのは初という。保佐人になることで、昨年4月に秀子さんが静岡地裁に起こした第2次再審請求が実質的な審理に進みやすくなるとしている。
弁護団が公開した家裁の決定書によると、同家裁は袴田死刑囚について、妄想的思考などの精神障害があると判断。成年後見人が必要な心神喪失状態とは認められないが、心神耗弱状態にあるとして保佐開始が相当とした。
袴田死刑囚の死刑は1980年に確定。再審請求したが昨年3月、最高裁が棄却した。