辞退された定額給付金について、愛知県長久手町議会で町幹部が「事務費として使っていい」と答弁し、2月発行の議会だよりにも「給付の事務経費に充てる」と誤って掲載されていることが分かった。もともと自治体の金を使わない補助金事業のため、辞退分は返還事務費を除いて国庫に返納しなくてはならないが、与党合意に端を発した誤解が広まったことが原因とみられる。
答弁は、昨年12月9日、鈴木孝美まちづくり推進部長が議員の一般質問に答えた。鈴木部長は「返還に関連する事務費の一部に充てることができる」との与党合意(11月12日)をめぐる報道で「返さなくていい」と誤解したという。
報道でも誤った解釈が流れ、同日付の日本テレビのネットニュースチャンネルは「支給にかかわる事務費に充てることができる」と配信。大阪府の橋下徹知事の発言や民主党ホームページにも誤解があり、総務省は1月28日付の「補助金交付要綱」で「差額を国庫へ返還する」とあらためて示した。
鈴木部長は「国庫補助事業として実施」と明記した総務省の通知(12月20日付)で誤りに気付いたといい、今後は議会や広報で修正するという。
(中日新聞)