バイクを運転すると脳が活性化される−。こんな研究結果を、脳研究で知られる東北大の川島隆太教授の研究グループとヤマハ発動機が4日、発表した。
研究グループは、男性21人の頭部に脳機能を測定する機器を装着してバイクを運転してもらい、脳の働きを調査。その結果、記憶や情報処理、集中力などをつかさどる大脳の「前頭前野」という領域が活発に動いていることが分かった。
さらに、免許は持っているが日ごろバイクを運転していない男性22人を、通勤などでバイクに乗るグループと全く乗らないグループに分けて生活してもらい、2カ月後に図形や計算による認知機能検査を実施。バイクに乗っていたグループは記憶力や空間認識力など前頭前野の機能が向上していた。
前頭前野は、自動車の運転では危険時を除きあまり働かないとの過去の研究データがあるという。川島教授は、バイクが脳を活性化する理由について「バイクの運転はバランスを取るなど繊細なコントロールが必要で、脳が常に緊張感をもって情報処理を行っているからではないか」と話していた。