岐阜県養老町の食肉卸小売業「丸明」の飛騨牛偽装事件で、不正競争防止法違反(虚偽表示)の罪に問われた前社長吉田明一被告(66)の論告求刑公判が4日、岐阜地裁であった。検察側は「消費者の信頼を裏切った責任は重い」として懲役1年6月を求刑した。判決は3月24日に言い渡される。
弁護側は最終弁論で「再犯の恐れはみじんもない」として執行猶予を求めた。
論告と最終弁論に先立つ被告人質問で、吉田被告は「ご迷惑をかけたことを反省しています」と述べた。
起訴状などによると、吉田被告は2007年10月中旬から11月中旬、格下の4等級を含む飛騨牛を入れた一箱600グラムの箱に「飛騨牛最上級品5等級」のシールを張り、大手ビール会社の景品用として取引先の広告制作会社に販売したとされる。吉田被告は起訴内容を認めている。
(中日新聞)