新広島市民球場(南区)の完成まで、28日であと1カ月となる。グラウンドの天然芝は緑の濃さを増し、内野2階席を覆う銀の屋根が輝く。市民や経済界が支えた「夢の器」誕生へ、工事は最終段階を迎えた。
完成式の3月28日に向け、本体構造部分の工事はすでに終了。内装や周辺道路の仕上げが急ピッチで進む。正面玄関前のカラーブロック舗装と植栽も整い始め、JR広島駅方面からのファンを迎える大型スロープが全容を現した。工事の進ちょく率は95%を超えた。
広島東洋カープの新たな本拠地となる新球場の平面建築面積は、約2万3000平方メートル。現市民球場(中区)の3.6倍の広さが、観客席のゆとりを実現させた。行き交うJR新幹線をも景観に取り込んだ開放的なデザインは、独創的。内外野の総天然芝が選手の体を守る弾力となり、攻守にアグレッシブなカープ野球を支える。
多彩な観戦スタイルを用意してファンを迎える。グラウンドすれすれの視線で熱戦を楽しむ「砂かぶり席」、バーベキューができる「びっくりテラス」が人気を呼びそうだ。
地元開幕戦は4月10日。赤ヘルナインの躍動とファンの熱気が、新本拠地に命を吹き込む日は近い。
【写真説明】濃い緑の天然芝に彩られた新球場。メーンゲートにつながる大型スロープ(左下)も姿を現した=27日(撮影・高橋洋史)