広島市周辺を中心とした広島県内のJR各線で今月、車両や信号、踏切などのトラブルによる運休や遅れが相次いでいる。JR西日本広島支社によると、運休などは2月の1カ月足らずで17件あり、うち7件が車両や設備の故障・不具合が原因。朝夕のラッシュ時のダイヤの乱れも目立ち、影響は全体で約5万人に上る。
23日午後6時前、安佐南区の可部線安芸長束駅で信号が故障。その30分後、山陽線鈴ケ峰踏切での死亡事故も重なり、各線の上下計24本が運休するなど合わせて1万6000人に影響が出た。広島駅(南区)は帰路につく会社員や学生でごった返し、夜遅くまで混乱した。
25日には、午前7時20分ごろ、山陽線海田市駅で、広島方面へ向かう下り普通列車が車輪の空転のため24分間ストップ。広島大入試の開始時間にも影響した。この車両は夕方にも同駅で、故障を知らせる表示灯が点灯し、部分運休した。
車両の自動列車停止装置(ATS)が鳴りやまなくなるなど車両の故障が5件。このほか、4カ所の踏切で同時に警報機や遮断機が作動したままになったりしたケースもあった。遮断機のさおがおれていたり、障害物の情報にともなう運行の見合わせもあった。