井原市は27日、国内の優れた彫刻家に贈る平櫛田中(でんちゅう)賞の第24回受賞者に、石松豊秋さん(66)=埼玉県所沢市=を選んだ。近年の木彫活動が評価された。
石松さんは北九州市出身。1973年東京芸大を卒業、75年同大大学院を修了した。74、77年新制作展の新作家賞を受賞し81年新制作協会員。84年から昨年3月まで東京の小学校で美術科教諭を務めた。寄せ木を駆使した構成と空間をうまく使った自由な作風に定評がある。義父は、平櫛田中(1872—1979年)の弟子で田中美術館(井原市)建設に尽力した福山市沼隈町出身の浜田泰三。石松さんは「賞を田中先生の声と受け留め、今後も制作に励む」と話している。
【写真説明】石松さんが2008年に新制作展に出品した木彫「バロック」
【写真説明】石松豊秋さん