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2009年02月28日(土) 10時01分

未納者に「卒業証書渡さぬ」中国新聞

 島根県立の8高校が3年生の保護者に対し、授業料を納付しなければ卒業証書を渡さない、とする通告や説明をしていたことが27日、分かった。県教委は不適切であるとして、8校を含む全県立高校を指導した。

 高校教育課によると、安来高(安来市)では1月、3年生全147人の保護者に、2月末までに2、3月分の授業料など計3万8300円を納付しない限り「卒業証書をお渡しできない」とする文書を配布した。昨年も同様の文書を配っていた。他の7校は、過去5年間で、授業料を払うことができるにもかかわらず長期間滞納している計65人の保護者に対し、口頭や文書で同様の説明をしていた。このうちの1校では、06年度末に、長期間滞納した保護者を持つ生徒1人に対し、卒業式当日には渡さず3月中旬に渡した例があった。

 同課によると、所定の課程を修了した際は授業料納付の有無とは関係なく卒業証書を渡さなければならない。同課は、授業料の滞納を理由に卒業証書を出さないことのないよう、26日付で全県立高校に通知した。

 安来高の栂瀬久男校長は「卒業までに確実に納付してもらうためだったが、配慮が足りなかった。実際に渡さないつもりはなかった」と釈明。同校では悪質な滞納はないといい、28日に生徒を通じておわびの文書を配る。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200902280019.html