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2009年02月28日(土) 21時48分

ノルウェー鯨肉も輸入承認 商業捕鯨支援、欧米反発も中国新聞

 【ロンドン28日共同=小熊宏尚】日本政府が二月初め、商業捕鯨を行うノルウェーから約二十年ぶりにミンククジラの肉五・六トンの輸入を承認したことが二十八日、両国の関係当局の話で分かった。商業捕鯨復活を模索する日本政府は昨年九月、アイスランドからの鯨肉六六・六トンの輸入を承認、十七年ぶりに鯨肉輸入を再開したばかり。世界で二カ国しかない商業捕鯨国を消費面で支える狙いがありそうだ。

 欧米やオーストラリアなどの反捕鯨国が、ローマで三月九日から始まる国際捕鯨委員会(IWC)中間会合などで対日批判を強める恐れもある。

 今回の鯨肉は昨年六月に名古屋港に届き、水産庁などが把握。国内の輸入業者が今年一月末に水産庁に正式に輸入を申請し、経済産業省が二月六日に承認した。ノルウェーからの鯨肉輸入は一九八八年以来。

 五・六トンのうち生食用は細菌数が規定を超えていることが輸入承認後の検査で分かり、不合格となったが、加熱用は安全面に問題がなければ、近く通関される見通し。

 到着から輸入承認まで八カ月かかったことについて、水産庁遠洋課は、久しぶりの輸入だったため事務手続きに時間を要したと説明。その上で「鯨肉ということでセンシティブ(微妙)な面もある」と指摘した。反捕鯨国が反発する可能性を意識し、輸入承認に慎重になったとみられる。

 ノルウェーは八八年に停止した商業捕鯨を九三年に再開した。ノルウェー漁業・沿岸問題省の当局者は、鯨肉は国際的に関心を集める「特別の商品」と強調。「貿易が可能になったという事実は大変うれしく、満足している」と述べた。

 農林水産省によると、日本国内の鯨肉の流通量は二〇〇七年度で約四千トン。その大半が、科学研究目的の調査捕鯨で捕獲した鯨の食用部分を「副産物」として市場に流通させたもの。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200902280227.html