【北京28日共同】中曽根外相は二十八日夕、北京市内で楊外相と会談した。楊氏は「中国政府は中日関係を大変重要視している」と発言。中曽根氏は「戦略的互恵関係がさらに進展するよう、緊密に連絡をとりたい」と応じた。
日中関係だけでなく、国際社会やアジア・太平洋地域の諸課題についても両国が協力して対応する方針を確認した。
会談で中曽根氏は、長距離弾道ミサイル発射と懸念される「人工衛星」打ち上げ準備を表明した北朝鮮情勢をめぐって意見交換し、六カ国協議を通じた核問題への取り組みや、拉致問題解決に向けた連携を確認したい考え。
また一月以降の日韓、日ロ、日米各首脳会談などを踏まえ、世界的な経済危機や地球温暖化対策についても協議。三年間で千五百人の教員相互交流実施で合意するほか、受刑者移送条約、犯罪人引渡条約、海難捜索・共助協定の締結交渉入りでも一致する見込みだ。
麻生太郎首相は二月二十六日の衆院予算委員会で、中国と台湾が領有権を主張する尖閣諸島(中国名・釣魚島)が他国に侵攻されれば米国も共同対処するとの認識を示し、中国側が反発。中曽根外相は領有権問題が取り上げられた場合、「尖閣諸島は日本固有の領土」との日本の立場を強調する方針。