青森県鰺ヶ沢町赤石町大和田、国道101号沿いの通称「焼きイカ通り」で海産物などを販売する吉田商店で27日朝、販売用に加工していた「ホッケ干し」約300匹が盗まれているのが見つかった。
1人で店を守ってきた吉田セツさん(83)は、「店を始めて25年になるが、こんなひどいことは初めて。悪い人はいるものだね」とがっくり肩を落とした。
観光名所でもある焼きイカ通りは、魚介の生干しや海産物加工品を販売する約10店が軒を並べている。吉田さんの店では、横4メートル、縦3メートルの小屋でホッケを干して加工。26日夕方までホッケを開いては干す作業を続けていたが、翌朝、それまで干したほぼ全部のホッケがなくなっているのに気づいた。小屋にはカラスやウミネコ対策で金網が張られ、出入り口には南京錠がかけられていたが、金網の一部が引きはがされていた。
吉田さんは被害に気づき、あまりの動揺で転倒したといい、「がばっとやられて、力が抜けてしまった。あんまりだ。価格は2万円ほどかもしれないが、手間がいたわしい」と涙声で話した。
吉田さんはすぐに鰺ヶ沢署に被害届を出したが、署員も、高齢者をあざ笑うような卑劣な犯行に、慰める言葉も見つからない様子だった。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090228-OYT1T00358.htm