この冬、海外から長野県白馬村へスノースポーツを楽しむために訪れた客のうち、韓国人だけが大幅に減り、昨シーズンの約2割となっていることが、白馬村観光局の調査で分かった。
2007年に外国人観光客の約28%を占めていた大口客の激減で、「昨シーズン並みの外国人客数確保は難しい状況」(観光局)となっている。
調査は、昨年後半から急激に進んだ円高の影響を調べるため、観光局が村内の宿泊施設、飲食店、スーパーやコンビニ、運送事業者などから1月末までの状況を聞き取った。
韓国人激減の理由について観光局は、「韓国の通貨ウォンの価値が半分ほどになり、韓国人が海外旅行を控えているため」とみている。白馬村を訪れた韓国人観光客は2006年に約1万4300人と国別でトップで、07年も、急増した豪州の約1万2100人に抜かれたものの2位だった。
他国・地域では、豪州が昨シーズンと比べ約2割増となり、香港、シンガポール、欧州などからは微増した。
豪ドルも円に対し下落し、豪州人から見た日本の物価は昨シーズンと比べ約1・6倍になっている。それでも、豪州人は繰り返し訪れる人のほか、20歳代の若い人の増加が目立っている。
ただ、宿泊費の安い宿に泊まり、夜に外食に出ても酒を飲まずスーパーなどで酒を買って宿で飲んだり、成田空港からも新幹線を使わず、1日5便ある白馬—新宿間のバスを使ったりするなど、節約志向が目立つという。
その一方、長野市や小布施町などを回る1万円程度の1日ツアーや村内のすし店などでは売り上げが増えている。観光局は「倹約はしつつも、日本を実感できるものへはしっかり金を使うというメリハリがはっきりしてきた」と話している。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090227-OYT1T01282.htm