奈良県天川村の汚職事件に絡む捜査情報漏えい事件で、県警元組織犯罪対策1課の警部補大沢成光容疑者(53)が、前村長車谷重高被告(51)と接触した理由について「(捜査に必要なので)わいろを受け取ったかどうか心証を取ってほしいと頼まれた」と話していることが26日、関係者の話で分かった。
関係者によると、依頼したのは元捜査2課の警部石山智容疑者(51)。石山容疑者は課長補佐として汚職事件を捜査中で、車谷被告に金銭を渡したとされる建設業者の贈賄容疑を調べていた。
一方で、車谷被告の様子を知りたいと考え、同期採用で車谷被告と面識があった大沢容疑者に依頼したという。
捜査関係者によると、大沢容疑者は2002年、天川村と同じ郡内にある大淀町に出向した際、当時天川村議だった車谷被告と知り合った。車谷被告と関係の近い天川村の建設業者とも親しくしており、逮捕直前まで業者を通して車谷被告と連絡を取ったり直接会ったりしたという。
大沢容疑者は県警監察課の調べに「石山容疑者から得た捜査情報の一部を車谷被告に伝えたが、事情聴取の月日などは教えていない」と供述。石山容疑者は「事実無根」と否認している。