農林水産省と愛知県は27日、同県豊橋市のウズラ農場で鳥インフルエンザウイルスを確認したことを明らかにした。ウイルスはH7型で、感染力の弱い弱毒性と確認され、愛知県と同省は感染拡大の可能性は小さいとみている。
国内の農場で鳥インフルエンザの発生が確認されたのは、2007年1月と2月に宮崎県と岡山県で確認されて以来。国内でのH7型の発生は1925年以来で、人への感染はまれだが、病気を持つ鳥と接触した人は呼吸器系などの病気を発症することがあるという。
愛知県によると、今月18日から県内の農場をサンプル検査。ウズラ農家3か所を対象に実施した定期検査で、農場1か所のウズラ10羽の血清を調べた結果、25日に2羽が陽性反応を示した。茨城県つくば市の動物衛生研究所で詳しく検査した結果、「H7亜型」が確認された。
検査結果を受け、農場はウズラの出荷を自粛。愛知県はウイルスの感染経路を調査するとともに飼育場の消毒を実施した。
周辺はウズラの卵生産では全国有数の地域で養鶉(じゅん)施設が集中。発生が確認された農場から半径10キロの範囲内にある農場に対し、感染を拡大させる恐れのある家禽(かきん)と卵、飼料などの移動制限を要請した。対象は65戸で456万羽となる。
愛知県の神田真秋知事は記者会見し「卵や肉を食べても人に感染することはないので、県民は冷静に対応してほしい」と話した。
農水省は27日、全都道府県に対し、緊急立ち入り調査などで鳥インフルエンザの早期発見を徹底するよう通知した。
(2009年2月27日21時58分 スポーツ報知)
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090227-OHT1T00188.htm