【ニューヨーク26日共同=増田和則】経営危機に陥っている米自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)が二十六日に発表した二〇〇八年十二月期決算は、世界的な自動車不況の影響で純損失が三百八億六千万ドル(約三兆円)に達した。赤字は四年連続。〇七年に計上した純損失三百八十七億三千二百万ドルに次ぎ、過去二番目の巨額の赤字となった。四年間の累計損失は八百二十億ドル規模に上った。
〇七年は巨額の繰り延べ税金資産を取り崩した特殊要因のため赤字額が膨らんだが、〇八年は販売急減や金融危機による影響の直撃を受け、経営環境が一段と悪化した。
政府による緊急融資で経営破綻(はたん)は回避しているが、経営基盤の弱体化があらためて浮き彫りになった。売上高は前年比約17%減の千四百八十九億七千九百万ドル。
米市場の販売急減などで経営不振が深刻化しており、手元資金の流出が加速。〇八年末までの三カ月間で約六十二億ドルが流出した。〇八年十—十二月期の純損失は九十五億九千六百万ドルで、六・四半期連続の赤字。
既に決まった緊急融資計百三十四億ドルに加え、GMは最大百六十六億ドルの追加融資を政府に求めているが、資金流出の拡大は際限ない救済につながりかねない。オバマ政権は追加融資の是非を三月末をめどに決めるが、難しい判断を迫られる。
主力の北米市場で、原油高を背景に燃費の劣るピックアップトラックなど利幅の大きい大型車が低迷。昨秋以降は金融危機による世界経済の急減速で各国の市場が縮小した。世界販売は前年比約11%減の約八百三十五万台にとどまり、トヨタ自動車に世界トップの座を譲った。
十—十二月期は、金融危機の深刻化に伴う販売の急減に加え、リストラ関連費用などの特別損失が約三十七億ドルとなり、前年同期の約十五億ドルの純損失から大幅に赤字幅を拡大した。